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2012年1月11日水曜日

「日本人なら必ず誤訳する英文」(越前敏弥)を読みました

「ダ・ヴィンチ・コード」の翻訳家としても有名な、越前敏弥さんの英文法本「日本人なら必ず誤訳する英文」を読みました。
自分で選んだわけではなく、知人からいただいたのですが、かなり読み応えがあり勉強になる本でした。

越前敏弥の日本人なら必ず誤訳する英文 (ディスカヴァー携書)越前敏弥の日本人なら必ず誤訳する英文 (ディスカヴァー携書)
越前 敏弥

ディスカヴァー・トゥエンティワン 2009-02-18
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越前敏弥さんが翻訳学校フェロー・アカデミーで開いた「誤訳をなくす文法特訓」という講座で出題した問題の中から、特に受講生が頻繁に誤訳する英文をまとめて解説した本です。
基礎編と難問編・超難問編に分かれており、基礎編はさらに「文の構造」「時制・態」「否定」「助動詞・不定詞」「動名詞・分詞」「比較」「関係詞」「仮定法」「相関構文・特殊構文」「その他」の10テーマに分かれています。
帯に「英語自慢の鼻をへし折る!」と書かれている通り、どれもこれも難問揃いで、へし折られる鼻すらない、文法苦手な私には本当に難しかったです。
「本書の使い方」にも書かれていますが、文法に自信のない方は、まず一度基本の文法書などを読んで、文法のおさらいをしてから読んだほうがよいでしょう。私はこの忠告に従わなかったために、この本を読みながら同時に文法書もひきなおすという事態になってしまいました(笑)

例文は小説から引用したような、すこしひねりのある文章が多いです。
とはいっても、小説を訳すための実用本というよりは、あえてひねった文章(ときには著者自身が「悪文」という文章)を持ってくることで、「翻訳するときに、どこに注視するべきか」をより分かりやすく提示する効果を狙っているようです。
実際、私もこの本を読んで、今まで自分がいかにフィーリングで英文を読んできたか、ということを痛感しました。特に、時制や冠詞の有無、カンマの位置などに気をつけていなかったために誤訳してしまったところが多かったですね。ライティングの勉強のときにも、時制・冠詞をよく間違えることは自覚してたので、やはり自分でも曖昧に覚えていてきちんと理解できてない箇所なんだと思います。勉強しなおさなくちゃなー。

2011年12月6日火曜日

「翻訳夜話」(村上春樹・柴田元幸)を読みました

作家・翻訳家の村上春樹氏、そしてポール・オースターなど現代アメリカ文学の翻訳で知られる翻訳家・柴田元幸氏の共著「翻訳夜話」を読みました。

翻訳夜話 (文春新書)翻訳夜話 (文春新書)
村上 春樹 柴田 元幸

文藝春秋 2000-10
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東京大学教養学部、翻訳学校、6人の若手翻訳者たちと一緒に開催された、3回の翻訳フォーラムの内容を記録した本です。
翻訳家がどんなことを考え、どんなことに悩んで翻訳をしているのか、英語という日本語とは全く違う言語を翻訳するということの難しさと面白さが伝わってきます。
英語と日本語のセンテンスの区切り方の違い、日本語の小説にはないような表現(セリフのあとに "~~" he said. ってしょっちゅう入ることとか)をどう訳すか。一人称(I)を「私」「俺」「僕」のどれにするかをどうやって決めるか。英語独特のクリシェ(決まり文句)は意訳するべきか直訳するべきか。翻訳をする上で作家や作品の時代背景などをどれだけ考慮するか。フォーラムの参加者たちからの質問に答える形で、このような翻訳の現場での難問を、お二人がどのように解決して、どんなポリシーをもって翻訳しているかが語られていきます。

また「海彦山彦」という章では、レイモンド・カーヴァーの「Collectors」、ポール・オースターの「Auggie Wren's Christmas Story」を、柴田氏・村上氏が競訳したものが掲載されています。(巻末には2作品の原文も掲載されています。)
同じ英文を、柴田訳・村上訳の2パターンを読み比べてみると、翻訳フォーラムの中で語られた二人の翻訳家としての考え方の違い(そして共通点も)が、どのように実際の訳文に反映されているかが見えてきて非常に面白いです。

私は普段英語を聞く・読む・書く・話す、を中心に英語学習をしているので、「翻訳」についてはあまり熱心に考えたことがなかったのですが、翻訳という作業を通じて一つの作品にコミットしていく翻訳家という仕事の奥深さを垣間見れた気がします。

2011年6月8日水曜日

「ニホン語、話せますか?」(マーク・ピーターセン)を読みました

またマーク・ピーターセンの本を読みました。
日本語についての本のようなタイトルですが、内容は英語についての事がほとんどです。
マーク・ピーターセンの他の著作「日本人の英語」などと同じように、日本人がよく間違う英語表現についても書かれていますが、「日本人の英語」に比べると著者のエッセイのような雰囲気が濃く、日本語学習や日本の文化・生活習慣についてなど、幅広い話題を取り上げています。どの話にも著者の"日本で暮らすアメリカ人"としての実体験が盛り込まれ、語学の勉強としてだけでなく読み物としてもとても楽しく読むことができます。

ニホン語、話せますか?ニホン語、話せますか?
マーク・ピーターセン

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英語学習という観点からは、日英・英日翻訳について書かれているいくつかの節は非常に興味深いものでした。
ある節では、日本の新聞の英語版の見出しについて、以下のような「誤訳」の例を紹介しています。

ある日、朝ゆっくりとカフェラッテを飲みながら英字新聞を読んでいたところ、"Foreigners are all sneaky thieves"(外国人はみんな卑劣な泥棒だ)という発言に出会って、びっくりした。『Kyodo News』(共同通信の「英語版」)によると、2003年11月2日、川崎市で、神奈川県の松沢成文知事がそう述べたという。オーノー、我が東京都ばかりではなく、神奈川県にも似たような阿呆がいたのか、と「同病相憐れむ」ような気持ちになったのだが、それと同時に、その文章の、引用としての正確さに関して、なんとなくあやしいような気もした。知事は果たしてそこまで言ったのかな、と。

そこで著者が調べていくと、別の新聞ではこの発言は「中国人みんなこそ泥」と書かれており、さらに実際の発言としては「中国などから就学ビザを使って日本へ入ってくる人がいるが、実際はみんなこそ泥」というものだったらしいということが分かってきます。
この発言が共同通信に掲載された際に、なぜか「中国人」が「外国人」に変わってしまい、さらに日本語版から英語版への翻訳の際に「こそ泥」→「sneaky thieves」と訳されていてしまったのでした。
「sneaky thieves」は「こそ泥」に比べかなり悪い印象を与えるようで、この翻訳について著者は以下のように解説しています。

「こそ泥」が"sneaky thieves"(卑劣な泥棒)となったのは、単なる誤訳に過ぎないだろう。具体的に言えば、英語にも「こそ泥」という職種(?)を表す表現があるのだが、それは"sneak thief"という決まりきった言い方だ。この"sneak"が、形容詞の"sneaky"(卑劣な)にされただけで、表現が与える印象は一段と悪くなるのである。

たったこれだけの違いで、そんなにニュアンスが変わってしまうものなんですね。
このほかにも、新聞記事や、村上春樹による新訳「ライ麦畑でつかまえて」などにある誤訳を題材とし、ニュアンスの違いや翻訳の難しさが解説されています。
どの節を読んでも、ただ辞書を引くだけでは分からない「語感の違い」「意味の違い」のが浮き上がり、非常に興味深いものでした。
上の"sneaky thieves"と"sneak thief"もそうですが、英語の「ニュアンス」を掴むにはただ英文を機械的に日本語に訳せばいいというものではないんですよね。
その場面に適切な表現なのかどうか、どんな印象を抱かせる言葉なのかをしっかり掴んでおかなくては、正確な表現にはならなかったり。

この本にはそんな「英語と日本語のちょっとしたニュアンスの違い」が分かるようになる例がたくさん挙げられています。
題材も、新聞・文学・映画など身近な題材なので楽しみながら読むことができました。

2010年12月7日火曜日

「心にとどく英語」(マーク・ピーターセン)を読みました

今度はちゃんと、マーク・ピーターセンの本です(笑)

心にとどく英語 (岩波新書)心にとどく英語 (岩波新書)
マーク ピーターセン Mark Petersen

岩波書店 1999-03-19
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マーク・ピーターセンの本といえば、日本人がおかしやすい英語の間違いを解説した「日本人の英語」などが有名ですね。

この「心にとどく英語 (岩波新書)」は、「ローマの休日」「雨に唄えば」などの有名な映画のせりふを題材として、日本人がうまく表現することのできない英語の微妙なニュアンスをどう伝えるか、ということを解説しています。

日本人の英語」は特に文法にフォーカスしていて少し難しい部分もありましたが、それに比べると非常にとっつきやすく、気軽に読むことが出来る本になっています。
題材も映画のせりふという、いわゆる「生きた英語」なので、どのような場面でどんな表現が出てくるのかという「ネイティブの言語感覚」を簡単に理解することができるようになっています。
読みやすいからといって内容も初心者向けかというとそうでもなく、なかなか高度な内容も含んでいて非常に読み応えがあります。

2010年11月3日水曜日

「日本人のための英語術」(ピーター・フランクル)を読みました

ピーター・フランクル著の「日本人のための英語術」(岩波新書)を読みました。
白状すると、実はマーク・ピーターセン氏と間違えて買いました! どちらも「ピーター」「日本人」「英語」「岩波新書・赤」だし・・・。というのは言い訳ですね。ちょっと自分の早とちりが恥ずかしいです。



日本人のための英語術 (岩波新書)日本人のための英語術 (岩波新書)
ピーター フランクル

岩波書店 2001-11
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日本人の英語 (岩波新書)日本人の英語 (岩波新書)
マーク ピーターセン Mark Petersen

岩波書店 1988-04
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ピーター・フランクル氏はハンガリー生まれの数学者・大道芸人。母語はハンガリー語ですが、さまざまな言語に精通し、英語も日本語もできるという方です。
ピーター氏が世界のさまざまな国に赴いて仕事をされた時の経験もまじえて、英語(外国語)を使った実践的な会話術やコミュニケーションのアドバイスが書かれています。
また、数学者という肩書きも生かし、アナグラムを使った単語ゲームなど、ユニークな勉強方法も提示されています。

なかなか面白いなあ、と思ったのが、「英語で日記を書く」というセクションです。
このセクションでは、英語で日記を毎日つけることを薦めているのですが、この勉強の進め方が面白いのです。

まず、日記の付け始めの時点では「電報調」で書きます。

6:00a.m. Alarm. Eyes open. Sigh: morning again. Left eye close. Right eye close.

たとえ複雑な表現を知っていても、まずは単純な語句を並べてみることから始める、ということです。ポイントは、辞書を使わずに書くこと。もし知らない言葉があったら、英語としておかしくても知っている言葉を並べて語句を作ってみます。(たとえば、靴紐がほどけたなら「Shoe open」など)

その後、前置詞や複数形を入れ、語句の量も増やしてレベルを上げていきます。

6:00 a.m. Alarm sounds. Eyes open. Sigh: morning again. Left eye close. Right eye close. Sleep again.

ここでもポイントは短い文章を作ること。これも出来るようになったら、今度は形容詞を入れたり、二つの文をつなげたり、自分の心理状態を入れてみたりして長い文章を作っていくということです。

この「少しずつ高度な文章を作っていく」というやり方は、この後のセクション「ことわざで表現力を磨く」にも出てきます。

このほかにも、自己紹介のやり方や、上手に英語をしゃべれない・理解できない時に役立つ表現や会話方法なども紹介されています。文法の小難しい説明などはなく、全体的に初心者に向けて「どういう気持ちで英語と向き合うか」について書かれた本のように感じました。あまり難しく考えず、さらっと読める本です。

2010年10月20日水曜日

「村上式シンプル英語勉強法」を読みました。

米Google副社長兼日本法人社長(当時)の村上憲郎さんによる「村上式シンプル英語勉強法」という本。
この本が話題になったのはもう2年くらい前のことなので、今さら感がありますが、たまたま図書館で見つけたので借りて読んでみました。

村上式シンプル英語勉強法―使える英語を、本気で身につける村上式シンプル英語勉強法―使える英語を、本気で身につける
村上 憲郎

ダイヤモンド社 2008-08-01
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著者の村上さんは、英語の勉強を始めたのは30歳を過ぎてからだったそうです。
私は今もう20代後半なので、まずそこからしてすごく元気づけられます。
著者は本のプロローグの中で、英語ができなければ仕事が出来なくなってきている。日本人ももう英語ができなければ、国際社会から置いていかれる、と主張します。そして、英語とは「2台目の自転車」だといいます。

英語の勉強は自転車に乗る練習と同じ。鍛えるのは、英語を使いこなすための筋力であり、知力ではありません。英語は語学ではなく"語力"なのです。

この言葉の通り、著者の提示する「英語勉強法」はとても"体育会系"です。
本の中では、英語の勉強を「読む」「単語を覚える」「聞く」「書く」「話す」という5つの要素に分けて解説しています。そして、それぞれのセクションで繰り返されるのは「とにかく量をこなせ」というメッセージです。
たとえば、「読む」、リーディングのセクションで著者が主張するのは「300万語読め!」です。小説にして30冊分。そして、後戻りや息継ぎせず、ひたすら前へ読み進めることが重要で、読むスピードは1分あたり500ワードが理想だということです。
「単語を覚える」のセクションでは、外国人との丁々発止のやりとりに必要な語彙数は1万語だそうです。そして、それらを覚えるためには毎日1万語を"眺め"ることが必要であると言っています。
最も体育会系なのはリスニングの勉強方法です。村上氏は、生の英語を聴くことは「筋トレ」であるといい、聞き取れるようになるまで1000時間のリスニングが必要であると見積もっています。

ここで挙げたものは本当にごく一部なのですが、村上氏の提案する勉強法はほとんど「適切な素材を使って」「数をこなせ」というもの。本当にシンプルなのです。
やはり、語学の道に近道はなし、とにかく読んで、覚えて、聞きまくる、ということが大事なのですね。

ところで、勉強法とは少し違うのかもしれませんが、この本に書かれているアドバイスの中で私が一番「これはやるべきだな」と思ったのが、「自分に関する100の話題を考え、暗記する」というものです。
前回のエントリーでも書いたのですが、英語で会話をするときに私が一番困るのが「話題が出てこない」というもの。村上氏は、「自分自身に関する話題をすることで、自分のペースに持ち込める」という利点もあると言っています。

さらに私は、加えて「相手について聞く100の質問」も考えた方がいいかも、と思いました。というのは、私のような初心者だと自分ばかり話すのはとても大変だからです。それに、「質問に答える」よりも、「質問をする」方が初心者には簡単だと思います。相手からいろんな表現を聞けて、ためになったりもしますしね。

さて、この本を読んで、一番今の自分に足りてないなーと思ったもの。それは、インプットの量です。
もともと「習うより慣れろ」の人間なので、へたくそのくせにアウトプットの方が楽しく、インプットを怠りがちになっています。特に、リーディングとリスニング。圧倒的に、足りていません。もっと計画を立てて、きちんとバランスよく勉強していくことが大事ですね・・・。